ポゼッションフットボール
ポゼッションフットボール(Possession Football)とはサッカーの戦術のひとつである。ポゼッションとは和訳すると「所有、所持」という意味であり、サッカーにおいてはボールをキープしている状態をボールポゼッションなどと呼ぶ。チーム全体でパスを回して、自チームが常にボールをキープすることで試合の主導権を握ろうという戦術である。現代のサッカーの戦術の多くがそうである様に、この戦術もまたトータルフットボールを基にして考え出されたものだとされている。
ポゼッション志向のチームには次々とパスを回してゴールへ迫るような観客を魅了するスペクタクルなサッカーを展開するチームが多く、ボールキープして優位に試合を進めているように見えやすいために、ポゼッションフットボール=良いサッカーとされることも多いが、高いポゼッション(ボール支配率)を保ちながらもゴールを決められずに前がかりになったチームの裏を突かれカウンターを決められてしまうこともあるので、必ずしもポゼッションフットボールが優れているとは限らない。
特徴
ポゼッションフットボールでは、確実性の高いショートパスを多用し、徐々にラインを押し上げて攻め上がる。攻撃が行き詰ったときは無理に攻撃してボールを奪われるよりは守備的ミッドフィールダーやディフェンスラインまでボールを戻して、再びディフェンスラインからのビルドアップ(攻撃の組み立て)を行う場合が多い。そういう場面で作られた時間を生かし、各選手がスペースを作りチャンスを生み出そうとする。よって、ミッドフィールダーのパス能力はもとよりディフェンダーにもパスやビルドアップの能力が求められ、チーム全体のポジショニング・オフザボール・オンザボールの動きの質が求められる。高いテクニックを持つ選手を多く抱え、組織的なプレーを得意とするチームに向いた戦術である。
相手チームがディフェンスラインを極端に下げて守備を固めている場合は、ボールキープは行い易いもののスペースが生まれ難く動きが停滞することもある。
チーム
ポゼッションフットボールを志向しているチームとしてはスペインやアルゼンチン、そしてバルセロナなどが、これに相当する。
おすすめ書籍
サッカー戦術クロニクルⅡ
2008年サッカー実用書ベストセラーとなった『戦術クロニクル』の続編。
前回取り上げた“トータルフットボール”とは別の流れの中で紡がれてきた「戦術の変遷」を探っている。今作では、現代サッカーを体現するスペイン代表、バルセロナの戦術解説や、カウンターアタック・マンツーマン・セットプレーなどの変遷を取り上げている。戦術をより深く知りたいサッカーファンにとって大きな助けとなる一冊。今もっとも信頼ある戦術評論家による、サッカーファン待望の“戦術書の決定版パート2”。
戦術は「相手チームを負かす」ために生まれていくものであり、その一連の歴史の流れを理解することなく「新戦術」が生まれてきた本当の意味を理解することはできない。「戦術の変遷」を探っていく、戦術書の決定版。
6×4とロンドのトレーニング
6×4とロンドのトレーニング とは現代サッカーのトレーニング方法の一つである。
アヤックス・アムステルダムの元コーチトニー・ブルインスと元選手、監督のヨハン・クライフらによって考案され、完璧なパスワークで支配率を高めるFCバルセロナ アヤックス オランダ代表 オランダのクラブなどのポゼッション(ボール保持)サッカーを採用するチームには必要不可欠なトレーニング方法と言える。フィールドのどこにいてもスピードに溢れるプレーを心がけ、バックアップをコンスタントに行えば、相手チームのプレーを妨げる効果がある。正確で、速いパス回しを行えば、相手チームがプレーをコントロールするのは困難になる。
ロンド
6~8人の選手によってサークルが描かれ、選手たちはワンタッチでパスをしなくてはならない。ただし、サークルの中にいる二人の選手にボールをインターセプトされてはならない。このゲームの目的は、サークルの中でどのグループが一番長くボールを奪われずにいたかを知ることにある。常にプレッシャーの中で好パスを出さなければならないので、サークルを構成する選手たちのボールコントロール力が向上することになる。そのうえ「ロンド」の特徴として見逃せないのは、チームの精神状態にもよい効果があるということ。冗談なども飛び出して学校に通う子供たちのようにゲームを楽しめるからである。
6×4
フィジカルトレーニングで汗を流した後に、選手たちをフィールドの中央に集め、二つのチームに分ける。一つは6人からなるチームで、もう一方は4人で構成される。選手はワンタッチあるいはツータッチでパスをしなければならない、トレーニングエリアはだいたい20メートル四方の正方形となる。ペナルティーエリアの約半分くらい広さで、得点するためのゴールは設けない。6人のチームは4人のチームにボールを奪われないようにパスを繰り返す。ボールをインターセプトされた時点で人数の多いチームから二人が別のチームに移る。目的はプレーシステムの向上にある。